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タイトル5 IT関連特許の拒絶理由の分布
T.IT関連特許の拒絶理由の内訳
(1) 下のグラフは、2003年11月から2004年12月までに特許査定となったIT関連特許(注1)の出願について、最初の拒絶理由通知の内訳を示したものです。125件の特許についてそれぞれ包袋を取り寄せ、データを取得しています。
(2) このグラフから分かるように、8割以上が「進歩性」を満たしていないとの拒絶理由(特許法第29条第2項)を含み、そのうち約半数が、この理由だけで拒絶されています。したがって、これらの特許のほとんどは、進歩性に関する拒絶理由を(反論や補正を行うことによって)解消して特許査定されたことになります。
(3) ただし、このデータは、最終的に特許として認められたものの拒絶理由について統計をとったものなので、その点で注意が必要です。審査請求がされた出願すべて(すなわち、拒絶査定となったものを含めたもの)について見た場合は、明細書または特許請求の範囲の記載不備に関する拒絶理由の割合がより高くなるのではないかと予想されます。
(4) いずれにせよ、発明の発掘や出願の判断を行うフェーズにおいては、その発明が「進歩性」を有するか否かを強く意識する必要があるということです。
グラフ1
注1) 抽出した特許は、IPC=G06F17/60?として分類されているものです。上記期間でこの分類に属する特許は850件ありますので、今回抽出したデータは、全体の14.7%にあたります。
 
U.特許取得に向けてのアプローチ
(1) 上述の125件の特許のうち、拒絶理由通知を1度も受けずに特許となったものが12件あります。拒絶理由通知を1度も受けずに特許されたということは、最初から明細書、特許請求の記載が適切で、特許庁に対する反論・補正が不要な分、短時間かつ低コストで特許の取得ができたという好ましい印象を受けるかも知れません。しかし、このことが必ずしも、好ましいとは限りません。
(2) 通常、特許出願明細書を作成する際には、やや広めの特許請求の範囲を定義しておき、実際に引用された先行技術や審査官の認識に応じて、拒絶理由を解消できるような最小限の限定を行い、結果的に最も広い範囲の権利を取得できるようにします。
 この点からすると、1度も拒絶理由を受けなかったということは、そういった特許庁審査官との鬩ぎ合いをせずに、最初から狭い範囲を特許請求の範囲として定義した、と見ることも出来るわけです。
(3) ただし、出願人が、早急に権利を取得したいといった事情を有していたり、少なくとも自社の関連分野や製品に対応する特許が取得できれば十分であるといったビジョンを有しているような場合には、意識的に特許請求の範囲を狭くして主張することもあります。