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チョッとひと息
W  最後のメッセージを配信するシステム
 〜高齢化社会に向けてひと工夫。死後に送る最後のメッセージ!〜
(2006.10.31)
 
 
タイトル5 最後のメッセージを配信するサービスとは?
 死んだ後に、いなくなった自分を想って悲しんだり寂しがっている家族・友人に何か一言声をかけて励ましたり、いままで言えなかった自分の素直な気持ちを伝えることができる、そんなサービスがあったらいいですね。
 「SAIGONOKOTOBA.COM」では、(たとえば毎月)送信される「生きているメール」に対して、依頼者本人から返信がなかった場合に、依頼者が予め登録しておいた最後のメッセージを、同様に予め依頼者が登録しておいた家族・友人等のメールアドレスに自動的に送信するサービスを提供しています。
 今回は、このサービスを実現するシステムについて考えてみることにします。
 当該サービスについては、特許出願がされており(特開2005-141607「遺言配信サービスシステム」)、今回は、この出願の記載内容とWebページの記載内容等から、以下でシステムの概要を想定してみました。
タイトル5 サービスを実現するシステムの概要
遺言配信サービスシステム
 この「遺言配信サービスシステム」の動作概要を、フェーズごとに説明します。
 
◆登録フェーズ
・死後にメッセージを残そうとする依頼者は、依頼者PC(A2)から、ネットワークを経由して配信サーバ(A1)に対して登録を行う(B1)。
・登録内容は、依頼者自身のメールアドレス、遺言配信先のメールアドレス、遺言配信先に配信する遺言メッセージ等。
 
◆生存確認フェーズ
・配信サーバ(A1)は、定期的に依頼者のメールアドレスに対して、生存確認メール(生きているメール)を送信する(B2)。
・依頼者は、生存確認メールにあるリンクをクリックして所定のWebサイトにアクセスすることにより、メールに対する応答を行う(B3)。
 
◆メール配信フェーズ
・配信サーバ(A1)は、生存確認メールを送信してから一定期間内に依頼者から応答がない場合、遺言配信先のメールアドレスに対して遺言メッセージをそれぞれ送信する(B4)。
 
タイトル5 サービスに関する特許出願の内容
 一方、このサービスに関連する上記特許出願(特開2005-141607)の特許請求の範囲(請求項1)は以下のような記載となっています。
 インターネットを用いて申込者の遺言メッセージを配信する遺言配信サービスシステムであって、
・1 前記申込者の遺言メッセージを保管する記録手段と、
・2 前記申込者の生存確認を行う生存確認手段と、
・3 前記申込者の生存が確認できなくなったときに前記記録手段から遺言メッセージを被配信者に配信する遺言メッセージ配信手段とを備えている
ことを特徴とする遺言配信サービスシステム。
 なお、当該特許出願は、平成16年11月24日に審査請求がされ、現時点で(2006.10.27現在)審査は終了していません。また、請求項1の「生存確認手段」の定義は、ややあいまいで、コンピュータを用いて具体的に行う情報処理とは言えないと判断される可能性があります。そのため、この「生存確認手段」は、請求項2に記載されているような、より限定された形に補正せざるを得ないかも知れません。請求項2では、「前記生存確認手段は、申込者のメールアドレスに対して生存確認メールを定期的に配信するとともに、該申込者からの応答を受けるか否かによって生存を確認するように構成されている」との限定がされています。
タイトル5 最後のメッセージを配信する別の仕組み
 最後のメッセージを配信する別の仕組み(システム)も提案されています。この仕組みは、2004年、株式会社ラストメッセージによって提供予定であるとアナウンスされましたが、現時点で(2006.10.27現在)、当該サービスの提供は開始されていないようです。また、同社は、2004年4月に特許出願をしています(特開2005-293340「メッセージ管理システム」、ただし、審査請求はされていない)。おそらく、この出願に記載されているシステムが、提供予定のシステムではなかったかと思われますので、ここでは、その概略について見ていきましょう。
 同社の「メッセージ管理システム」は、上記の「遺言配信サービスシステム」と同様、依頼者の死後、事前に登録された最後のメッセージを予め指定されたメールアドレスに配信するものですが、「遺言配信サービスシステム」とは、次の2点で大きく異なっています。
 (1)依頼者の生存確認を、受信メールに対する応答という形ではなく、依頼者が能動的に所定のサイトにアクセスすることによって行うこと。
 (2)依頼者から一定期間サイトへのアクセスがなかった場合に、依頼者に関する最終的な生存確認を、その依頼者本人に対するメール、依頼者以外の生存確認者に対するメールによって行うこと。
 
 したがって、前者の「遺言配信サービスシステム」では、依頼者からメールに対する応答がないと、(一定期間経過後に)最後のメッセージが指定メールアドレスに宛てて送信されてしまいますが、後者の「メッセージ管理システム」では、サイトに対する依頼者からのアクセスが一定期間途絶えた場合でも、最後のメッセージはすぐには送信されず、依頼者本人へのメールでの確認、および依頼者以外の生存確認者へのメールでの確認を経て、送信されます。
 このことにより、後者のシステムでは、たとえば、依頼者が、応答を怠ったり、重篤で応答ができない状態になったような場合に、「まだ存命中にもかかわらず誤って」最後のメッセージが配信されてしまうような事態を避けることができます。生きている間には言えなかったような言葉が本人の生存中に配信されてしまうというのは結構恥ずかしいですね。良い意味でない言葉が含まれている場合は、その後トラブルになる可能性もあります。したがって、このように、配信について2重、3重のチェックがかかるのは好ましいと言えるでしょう。しかし、その一方で、親しい間柄である生存確認者には、依頼者が最後のメッセージを用意していることが分かってしまうので、生存確認者と配信先が同じである場合は、いくぶんサプライズ感がなくなり、感動が薄れるかも知れません。
別の遺言配信システム
 この「メッセージ管理システム」の動作概要を、フェーズごとに説明します。
 
◆登録フェーズ
・死後にメッセージを残そうとする依頼者は、依頼者PC(C2)から、ネットワークを経由して配信サーバ(C1)に対して登録を行う(D1)。 ・登録内容は、依頼者自身のメールアドレス、生存確認者のメールアドレス、遺言配信先のメールアドレス、遺言配信先にメールで配信する遺言メッセージ等。
 
◆生存確認フェーズT
・依頼者は、依頼者PC(C2)から所定のサイトにアクセスし(D2)、配信サーバ(C1)は、そのアクセスが定期的に行われているかどうかチェックする。ここでは、依頼者PC(C2)からサイトへのアクセスが行われる。
 
◆生存確認フェーズU
・一定期間アクセスがない場合、配信サーバ(C1)は、依頼者のメールアドレスに対して、生存確認メールを送信する(D3)。ここでは、依頼者PC(C2)が当該メールを受け取っている。 ・依頼者は、可能な場合、生存確認メールに返信を行う(D4)。
 
◆生存確認フェーズV
・一定期間、依頼者からメールの返信がない場合、配信サーバ(C1)は、生存確認者のメールアドレスに対して、生存確認メールを送信する(D5)。生存確認者は、たとえば、家族のような、依頼者の生存を知る者である。ここでは、生存確認者PC(C4)が当該メールを受け取っている。 ・生存確認者は、依頼者の生存を把握している場合、生存確認メールに返信を行う(D6)。
 
◆メール配信フェーズ
・配信サーバ(C1)は、生存確認者から生存確認メールの返信が一定期間内にない場合、遺言配信先のメールアドレスに対して遺言メッセージをそれぞれ送信する(D7)。
 
タイトル2 重要なポイント
 このように、同様のサービスを実現する場合であっても、さまざまな仕組み、システムを考えることができます。仮に前者の「遺言配信サービスシステム」が特許になった後で、他社が、後者の「メッセージ管理システム」を実施したら、そのシステムは特許権を侵害することになるでしょうか?考えてみてください。