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チョッとひと息
U  ソフト電池
 〜特徴あるコンピュータ・ソフトの使用期限管理システム全体を特許化!〜
(2005.9.9)
 
 
タイトル5 システムの概要
 今回は、既に特許として認められている「ソフト電池」について見てみることにします。「ソフト電池」は、コンピュータにインストールされたソフトウエアについての使用期限を管理する、以下のような特徴を有するシステムです。
 
・ソフトウエアを使用するための仮想電池(=使用権)を管理する。
・ソフトウェアのコマンド(生成関数)が使用されるたびに仮想電池の残量が減り、ゼロとなったところでソフトウエアの使用ができなくなる(従量課金)仕組みを提供する。
・コマンド毎に課金の程度を変えることができる。
・ソフトウエアの起動毎の課金、使用時間での課金、時間経過による課金も可能。
・仮想電池は、インターネット上で電池代を支払うことにより充電が可能である。
 
注1) 特許第2810033号 「稼働管理システム及び稼働管理方法」
  出願日 平成9年(1997年)5月21日
  URL:http://www.soft-denchi.jp
 
タイトル4 システム構成
 ソフト電池は、概略下図のようなシステムで構成されます。

システム構成
 特許請求の範囲の請求項1に対応するシステムは、概略、以下の5つの手段(機能)から構成されます。
 
 新たにデータを生成する複数の関数(生成関数(コマンド))と、それ以外の複数の関数(非生成関数(コマンド))とを有するソフトウエア(たとえば、コンピュータにインストールされたソフトウエア)の稼働を管理するシステムであって、そのシステムは、
(1) ソフトウエアの起動中に、実行命令の出された関数が、生成関数であるか非生成関数であるかを判定する関数カテゴリー判定手段と、
(2) 生成関数のそれぞれに重み付け値が対応付けられた重み付けテーブルと、
(3) 実行命令の出された関数が、関数カテゴリー判定手段によって生成関数であると判定された場合に、重み付けテーブルに従って、対応する重み付け値を特定し、稼働管理用の数値であるカウント値から重み付け値を減算するカウント値管理手段と、
(4) カウント値が所定のリミット値まで減少した場合に、そのソフトウエアの稼働を制限する稼働制限手段と、
(5) 外部手段から補充値が入力された場合に、現在のカウント値に補充値を加える補充手段とを含む。
注2)この表現は、発明を分かりやすく表す目的でされたものであり、実際の権利範囲の属否についての判断は、あくまでも特許請求の範囲の記載に基づいて行われます。
タイトル3 考慮点
(1)この特許は、上記(5)の構成要素「補充手段」があるために、ビジネスの仕組みに関連する「ビジネスモデル特許」として紹介しました。「補充手段」は、たとえば、インターネット等を介してユーザ端末から管理サーバに、ソフトウエアの稼働を可能とするカウント値を補充するための入金(決済)手段のことです。
 この特許の場合は、コンピュータ・ソフトウエアを管理するシステムの全体を定義した結果、ビジネスモデル特許として成り立ったものであり、前回の「飲食店における顧客の高回転率誘導方法」に関する発明とは、特許出願に対するアプローチが異なります。
 また、この発明の特徴が、呼び出された関数毎に重み付けを設定し、その重み付けにより決定されたポイントを減算して、ソフトウエアの稼働管理を行うという点にあるのであれば、請求項1で「補充手段」を備える必要はないでしょう。ただし、この手段は、出願人の意図によるもの、あるいは先行技術による拒絶を回避するために付加されたのかも知れません。「補充手段」がなければ、ビジネスモデル特許というよりむしろ、通常の「ソフトウエア特許」の範疇に入ると言えるでしょう。
(2)この特許では、関数を生成関数と非生成関数とに分け、生成関数の呼び出しに対してのみカウント値が減少するように制御するシステムとなっています。しかし、このような制限を設けずに、どのような関数であっても、呼び出しによってカウント値が減算されるような、より広い権利範囲のシステムを定義しておくということも考えられます。